帰門:おとぎの森

103号2008.7月発行
――――――第4回千保川ウォーキング――――――

今回はおとぎの森公園を出発し、少し上流の佐野地区まで歩きました。
かつては氾濫のたびに川筋が変化したところです

高岡おとぎの森公園
JR高岡駅から南に2.0km離れた、市南部地区に花と緑の拠点緑地として位置づけられている。21世紀を担う子どもたちの健やかな成長を願う、緑豊かな活動の場として造られた。公園の中央を一級河川千保川が流れて、これを軸として豊かな水辺空間が広がっており、自然の生態系を遊びながら学べる。
玄手川とポンプ場
玄手川は戸出地区の湧き水が集まって流れている千保川の支流である。
ポンプ場で玄手川の水を吸い上げ、高岡古城公園の水濠に導水し、そこから流雪溝を兼ねた雨水幹線を通じて千保川に流している。古城公園のお堀の水がきれいになったのはこのおかげである。
旧戸出往来のなごり
戸出往来は昭和11年以降現在の国道156号線ができてから姿を消した。一文橋(現在よりやや上流にあった)で千保川を渡り、現在のおとぎの森の中央を横断して諏訪佐野で玄手川を渡り、川沿いに現在の美川町から西藤平蔵に至る道とつながり戸出へ通じていた。
なごりの道にお地蔵さんが祀られている。
ほたるの水路(おとぎの森園内)
夕食のお弁当を食べた後、ほたるが飛び交うのを楽しみました。
公園内のアトリウムでこの晩「月下美人」が花開きました。


千保川ウォーキング
※2:第二回・
   たたら95号
※1:第一回・
   たたら91号
※4:第四回・
   この号(103号)
A:戸出工業団地横
※3:第三回・
   たたら101号

B:合口ダム
第一回、鉄道もトラック便も無い時代、高岡の玄関として賑わった千保川の舟着場周辺の町めぐり
第二回、千保川と小矢部川の合流地点の舟運で栄えた木町と、お蔵の町吉久
第三回は上流へ向い、庄川から分かれて用水路として砺波野を潤し、戸出工業団地横で千保川となるまでをバスで巡りました。



なでしこの部屋====
「ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず 淀みに浮かぶうたかたは かつ消え かつ結びて 久しくとどまりたるためしなし」夏の厳しい暑さが消え、刺すような陽射しがやわらいだある日曜の午後、二階の窓辺の椅子に腰掛けて眼下の千保川を見つめていると方丈記の一節が浮かんできます。次から次へと止まることなく光をけちらしながら水は、目の前を行き過ぎていきます。
ここから上流へ行くと、工場地帯の横を通り、おとぎの森広場の中を抜け、広がった田園地帯の用水として走り、やがて緑濃い山のふところに入っていきます。川下へ下ると、近年まで工場があった場所に新しい家々が建ち並んでいます。さらに下っていくと、高速道路の下をくぐり抜け小矢部川と合流し日本海へ流れ込みます。長い歴史の中で洪水に悩まされましたが、田畑には恵みをもたらし、舟運が町の発展を支えてきた大切な川です。千保川について思いをめぐらすと、時代を超えて、地域を越えて多くの人々と繋がっていることを感じます。
小学校の写生会で、私の母は横田橋の横の柳を描いたといいます。私は公害で汚れた川を描きました。娘は鳳鳴橋の鳳凰像を描きました。その子供たちはどんな千保川の絵を描くのでしょうか。人間の一生ははかないものです。絶えることない川の流れに、永遠の時の流れを重ねてしまいます。清らかな川を無くしてはいけないと強く思います。未来の人と触れ合う夢を乗せて、今日も流れています。