91号 2007.7月発行


―――――――第一回千保川ウォーキング――――――
高岡町繁栄の裏に千保川あり

昔、船着場に舟が着いて、炭や薪が降ろされ、
鋳物製品の鍋・釜が積み込まれ川を下ります。
次に着いた舟からは魚が降ろされ、大八車で魚市場へと運ばれて行きます。
千保川左岸は鋳物工場がある職人町、
右岸の道を行くと魚市場があり、商人町を経て城跡へと続く。
時は流れて平成、千保川は大きな排水路のようになってしまいました。
さわやな5月のある日、昔の面影を求めて、左岸コースと右岸コースに分かれて散策しました。

金屋町コース
(千保川左岸)

          
☆金屋緑地公園
 (鋳物工場の跡地)
 ・鋳物発祥之地石碑

☆石置屋根の家
 ・立川銅器着色所
☆レンガ積の煙突
 金屋の鋳物産業を支えてきたキュポラ(溶鉱炉)跡
☆金屋町通り
 さまのこ(千本格子)の家々が軒を連ねている
細長い敷地の前半分が居住部分で後の鋳物工場との間に土蔵を作り防火の役目を果たしている


歴史街道コース
(千保川右岸)
☆恵比寿塔
 新幸橋詰の船着場を照らす照明塔

☆魚市場跡―→
(今は保育園)


☆指物屋町
 指物、たんす、仏壇、神棚などの職人町
☆大場仏壇店―→
 慶長年間創業の老舗
☆佐渡家―→
 江戸時代から医薬業のたずさわってきた旧家
☆高峰公園―→
 医業を営んだ高峰家跡地。アドレナリンで知られる高峰譲吉を顕彰する記念公園
☆旅籠町(旧北国街道
 昔は賑わった商店街。蝋燭、御香、数珠、和紙、饅頭、昆布屋などが今でも営業している。
☆有礒正八幡宮
(有礒造り、銅板葺屋根)
北国街道の西の砦として開町時に移転してきた。石垣は築城様式。
お神輿の飾り金具は、高岡御車山の飾り金具の作者と同じであると言われている。



利長が築いた城は、一国一城令で廃城。
その後、利常が商工業の町として再興。
それから400年近くもの年月が流れて今がある。
たくましく生きてきた高岡人の心に触れた一日だった。
そしてその歴史は千保川を抜きにして語れないものなのだと実感。