御印祭のお宮宿(金屋町公民館)の 正面に吊るされる前田家のご紋の入った照明器具 |
66号 2005.6月発行 |
弥栄節保存会の会員だった、今は亡き石田幸作さんが記された
「やがえふ回想記」(平成2年4月記)より
御印祭のルーツをたどりましょう
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御印祭の懐古 高岡開祖、前田利長公(没1614年)の御遺徳を敬慕して、高岡鋳物発祥の地、金屋町では、古くから公の御命日6月20日(旧暦5月20日)に仕事を休み、組頭の家で飾られる公の絵像を拝みに行く風習がありました。 明治13年、金屋町の鋳物師達が、金沢の兼六園で出張鋳造の出吹きを行い、当時世間の話題になった大作、日本武尊の銅像を見事に造り上げたのを記念に、翌14年、同形の小型鋳銅像を作製し、氏神の有礒神社へ奉祀しました。 明治30年6月19日 日本武尊御神像が、唐櫃にて金屋町の御旅所(通称お宮宿)に、渡御されたのが御印祭の始まりです。 郷土民謡やがえふの起こり 大正初年頃まで金屋町に唄い継がれてきたやがえふを後世に伝えようと、昭和の初めに、横田町の医師で郷土史家の飛見丈繁先生が主唱され、「鋳物音頭弥栄節研究会」が設けられました。 有礒神社宮司さん、鋳物師の方、市の関係者、金屋の有志の熱意と努力によって専門家の方にお願いして、唄を民謡調に整え、鋳物作業の仕草を振り付けた踊りができました。 昭和5年6月15日有礒神社祇園祭の宵、境内の特設舞台で三味線太鼓の音曲を囃子に、踊りが、広い境内を埋めた大観衆の前で初公開されました。 昭和11年4月10日、東京の明治神宮外苑の日本青年館で開催された第10回全国郷土舞踊民謡大会に出場。大会終了後、4月14日午後、目黒区の前田侯爵邸に招ぜられ、16代前田利為、菊子御夫妻様はじめ、お子様方一同お揃いの場で一行の熱演をご覧に入れました。 復興 昭和26年11月3日「郷土民芸選彰会」(富山新聞社、富山県、富山県教育委員会、NHK富山放送局主催)に、けいこにけいこを積んで、踊衣装と息杖を調え出場し、満場の喝采を博しました。県教育委員会賞第一席に入賞しました。 昭和27年6月19日御印祭。お宮宿の金屋本町鍋谷勇家前にて踊り。 昭和28年の御印祭から女子の踊りが加わる。 その後、様々な催しに積極的に参加して、あちらこちらで披露している。 ちなみに、私(加藤美和子)は昭和30年中ごろから踊りに参加しています。 ※前田侯爵邸・・・・3月初めヤッホー金屋の有志(私も含む)が、ホームページの受賞式に上京した際、見学してきました。次号の「なでしこの部屋」で紹介します。関連「たたら63号」 |
回想記の終わりに石田さんが記されました 郷土民謡やがえふ、生みの親ともいえる故飛見丈繁先生は常々「商工業都市高岡繁栄の基礎である高岡鋳物発祥の地、金屋町の作業場から生まれた民謡やがえふは勤労の賛歌である。祖先の御苦労を偲んで感謝し、誇りをもって唄って下さい」と言われました。 今(平成2年)から60年前忘れ去られようとした作業唄やがえふを郷土民謡に形成された方々の御苦労は並大抵でなかったであろうと推察されます。(中略)祖先の心の唄であり、貴重な文化遺産でもある郷土民謡やがえふが何時までも唄い継がれてゆくことを祈念致します。 |
受賞旅行・第四話 懇親会が終わったあと閉館まで1時間あったので、館内を見て回ることにした。残念ながらアシモくんの実演が終わった後だったので、ガラス越しにしか会えなかった。人が顔を近づけると、その人を認識しようとして目を合わせてくるしぐさが、母の顔を追う赤ん坊のようでなんとも愛らしかった。館内は、楽しく科学に触れることができるようになっていた。私達も何かしたくなり、月から地球のお台場へ帰ってくるという想定のバーチャルの世界を体験することにした。特殊なめがねをかけてスクリーンの前に立つと、遠くに地球が見えた。いよいよ出発して、といっても私たちは立ったままなのですが、どんどん地球が近づいてくる。人工衛星が回っている高度で地球を回り、「地球は青かった」と感激しているといざお台場へ。グループの中の一人にコントローラーが渡され操縦がをまかされる。慣れていないので、急降下して目の前にビルが迫る。「ヒャー、ぶつかる。」しかしそこはバーチャルの世界、実際に物にぶつかっているのではないので、そのまま飛行をづづける。建物をすり抜けた魔女の気分だった。高度をあげたり、下げたり、速度を速めたり遅くしたり、楽しい20分間だった。お土産にアシモくんのファイルと、宇宙食(そう書いてある)を買った。
お台場から大江戸線へ乗り継いで、最寄の駅から疲れた足を引きずって歩いて、今晩の宿、東京プリンスホテルへ着いた。部屋に荷物を置いてすぐにホテルのレストランへいった。バイキング形式で、おいしそうな料理がずらりと並んでいた。好きなものをおのおのの前に所狭しと並べて、ビールで乾杯した。
食後は東京タワーへ夜景の撮影会にでかけた。色とりどりの光のきらめきがどこまでも広がっている。田舎では見ることのできない景観だ。私達おじさんおばさんがあっちこっちとデジカメを撮っていたので、若い二人組みさんにはさぞ迷惑だったろう。ホテルへ戻って、賞品をどうするかということと、明日の予定を話し合った。・・・・次号へつづく
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