日本鋳物協会 高岡大会(H5.10月)記念文鎮

84号 2006.12月発行


―――――ヤッホーの会(弥栄節保存会有志の会)の活動2006―――――


弥栄節踊りの講習会
 
 4月17、19、24日
毎年この時期に講習会を行っています。市の広報紙で募集します。もちろん無料です。

さまのこフェスタ

 4月29、30日
金屋町を紹介するイベントです。ゴールデンウィークに行います。一緒に踊りませんか。飛び入り歓迎です。

御印祭

 6月19、20日
鋳物業を奨励してくださった加賀二代藩主前田利長を偲ぶお祭りです。前夜祭には町一帯を踊ります。特設舞台上の踊りも見ものです。

高岡西部中学校学校祭
踊り指導、着付けのお世話

 10月7日
近隣の保育園、小、中、高校へ踊りの指導にでかけます。運動会や学校祭で踊っています。御印祭にも参加してくれます。

八丁道おもしろ市

 10月15日
瑞龍寺と前田利長の墓所を結ぶ八丁道で5月と10月に市が開かれています。30回目の節目ということで出演依頼がありました。

日本塑性加工学会の懇親会

 11月1日
全国各地から集まってこられた研究者の方々に、高岡を代表する産業である鋳物の作業唄「弥栄節」を披露しました。

メンバーの結婚式出演
控室で音あわせ
 10月9日
若いメンバーが結婚しました。明るい未来に皆で祝福しました。お嫁さんもメンバーになってもらえるとうれしいな。

懇親会の様子
年に何回か集います
唄や踊りが好きな人が多いのでいつも賑やかです。私のように唄や踊りが下手でもお祭りさわぎが好きな者にとって楽しい会です。

御印祭のこれからを考える
12月11日夜、5人の富山大学芸術文化学部の学生さんが金屋町公民館にやって来ました。プロジェクトゼミの一環として、地域社会が抱える問題の解決方法に取り組む体験学習をしている皆さんです。
彼らには金屋町の弥栄節保存会の後継者問題に取り組んでもらいました。弥栄節保存会は金屋町の住人全てが会員ですが、その中で指導、普及を目的として活動する会、ヤッホーの会(弥っ保ーの会)があります。ヤッホーの会ができてから10数年、メンバーは当時とほとんど変わっておらず、女性の平均年齢も30代後半だったのが、50歳に手が届きそうになってきました(私は届いています)。もちろん今のメンバーは活動に意欲的で、誰一人辞めたいとは思っていないのですが、若い人が入会してくれないことには会の発展はありません。これらの問題を紹介し、若い人達の側から考えてもらうことにしました。この日はその報告に来てくれたのでした。ヤッホーの会のメンバーの一人として私も参加させてもらいました。
弥栄節に興味のない若者を振り向かせるにはどうすればよいかと考えて、「保存会を中心に新たな可能性にトライする」ということでいくつかの事例を紹介してくれました。そして活発な意見交換の場になりました。
「若者の多い所、たとえば大学でアピールする」 ヤッホーの会では毎年、保育園、小中高の各学校、旧高岡短大へ出向いて踊りの指導をし、学校行事で踊ってもらったり、御印祭にも参加してもらっている。
「参加できる機会、親しんでもらえる場を増やす」 さまのこフェスタでは見物の人にも踊りの輪に入っていっしょに踊りを楽しんでもらっている。要望があれば囃し方、踊り手皆で出向いて弥栄節を披露している。
「若者に興味があるようにアレンジしてみる(よさこいなど)」 弥栄節はもとはゆったりとして力強い作業歌だったが、昭和の初めに親しみがもてるようにプロに編曲してもらい、踊りを振付けた。50年代には新歌詞の募集もしている。保存会としては、今の形を続けていくことを基本としているが、よさこいのグループなどからアレンジして踊りたいと要望があれば応じている。
「大会やコンクールの開催」 御印祭の日に舞台を設けて、複数の民謡団体の方々にそれぞれ思考をこらした演出で出演してもらっている。コンクールはしたことはないが面白いかもしれない。にぎやかに行っている前夜祭を、御印祭と切り離して「祭りの夕べ」のような形でもっと気候の良い時期に行うという方法も考えられる。
「CD,プロモーションビデオなどを作る」 CDもビデオも製作した。しかし仕舞い込んだままになっている。もっと活用することを考えたい。

学生さんたちが提案してくれたことを考えてみると、いままでに実行してきたことがかなりあります。しかしどれも効果がありませんでした。後援会さんのご好意と住民の協力金のみでまかなわれているので、資金が乏しいこと、住民が減っているのでお世話できる人が少ないなど、資金、人手の問題が足かせとなって話が前へ進まないのです。御印祭が大きくなりすぎると、金屋の住民だけではトラブルが発生したり、町の祭りの趣旨が損なわれてしまうという不安も足踏みの原因かも知れません。
しかしながら、派手に大きくして終始がつかなくなってしまっては、先人の心が伝わらなくなってしまいます。かといってこのまま放っておくと、後継者がいなくなって、やはり伝わらないということになります。
厳しい労働を続けてくれた先人のあっての私達です。この部分を忘れてはいけません。後世へ伝えていくために学生さんたちの考えをもとに検討してみたいと思います。若い人たちの素直な考え方に触れ、もう一度足元を見直す良い機会でした。