庄川水記念公園のモニュメント

68号 2005.8月発行
―――――――さやかに歌う〜千保川〜―――――――
♪♪さやかに歌う♪千保川♪流れもつきぬ♪小矢部川♪♪
母校である西条小学校の校歌の歌詞の一部です。
近隣の小学校の校歌にたいてい千保川が歌われています。

千保川の出発地点(砺波市旧庄川町の松川除)
わが金屋町の横を流れる千保川の出発地点は、砺波野の扇状地の扇頂部です。下の航空写真の右で白く蛇行しているのが庄川ですが、戦国時代から安土桃山時代には、写真のほぼ中央に位置する千保川がその本流でした。鎌倉、室町時代には千保川より西を流れる中村川や荒又川が本流。奈良、平安の時代は、今の野尻川の川筋を本流としていて、津沢の付近で小矢部川に合流していました。下の写真の左中央へ向かって流れていたようです。洪水を繰り返すたび、本流が西から東へ移ってきたのです。
高岡町が開かれたころは千保川が本流でしたから、加賀藩は高岡城下と穀倉地帯の砺波平野を水害から守ろうとしました。扇頂部に2km近い川除け(堤防)を造り、当時乱流していた庄川の流れを一本化し、今の庄川の方へ流れるようにしました。完成(1714年)までに44年費やしたそうで、その後も補強工事が続けられ、堤防をしっかりかためるために、松の木を植えました。それでこの堤防を松川除といいました。庄川雄神橋上下流の堤防でその名残の松を見ることが出来ます。
行って来ました松川除へ
山々から集まってきた水が平野に向かって走り出す、扇状地の扇頂部はそんな所です。いきおいにまかせて気ままに流れていたものを決められた所へ流すようにするというのはさぞかし大仕事だったことでしょう。堤防の上に歳を重ねた松がずらりと並んでいるのは圧巻です。川の水との闘いに勝った当時の人々の誇らしげな勇姿を見たような思いがしました。今では少し上流にダムが築かれ、水害を防いでいます。このダムの横に水記念公園があって、水のありがたさや、怖さを忘れてはいけないと諭しています。


千保川の、始まりから金屋町までの顔
@松川除の横を流れる
堰き止められる前の川筋は用水となって、砺波野の平野へ潤いをもたらしています。
A水田の中(砺波市石丸)
この近くに「行兼(いきかね)」という地名があります。この辺りを大きな川が流れていた頃、雨が降って増水すると、向こうへ「行きかねる」というところからついたそうです。
B戸出工業団地の横
金屋地内から移った工場がたくさんあります。この近くの市野瀬という所は、大きな川が流れていたころ一番流れが速かったことから「一之瀬」と呼んでいたそうです。今は字が少し違いますが。
Cおとぎの森公園内
千保川が公園の中を流れています。
Dおとぎの森公園内
昔の子供達が遊んだように、水とふれあえる場所を設けてあります。
E金屋の隣町
中央の四角の白い建物の辺りが金屋町です。近年まで川の両岸には工場がありました。今はなくなり静かな住宅街です。


受賞旅行第六話

渋谷から六本木ヒルズへ直行するバスがあると事前に調べておいたが、バス停が十いくつ、いえ何十とあるではありませんか。どこへ行けばいいのだろうか、あっちへうろうろ、こっちへよたよた、人に聞いてやっとバス停にたどり着いた。バスは11:39発。六本木ヒルズへ着いたらちょうどお昼だ。
六本木ヒルズの案内図を囲んで協議の結果、うどん、そばを食べようということになった。案内図を片手にたどり着くと、まだ店内は混んでいなかった。食べたかったものを食べ終えて、さあ六本木ヒルズで何を買おう、何を見よう、だけど、若い人向けの店しかない。森さんが波田陽区を真似て言った。「おばさんが六本木ヒルズへ行きたいっていうじゃな〜い」「でも、着られる服はありませんからー。残念」。ということであっさり帰ることにした。結局「花より団子」のおばさんたちなのだった。
 別行動をとっていた新保さんのご主人と待ち合わせるため、浜松町の喫茶店へ入った。ここでも紅茶とケーキを楽しんだ。羽田空港へ着くとたっぷり時間があったので、お土産タイムとなった。いざ買おうとしても何にしようかと迷い、呼び込みの声にどれもこれも食べてみたくなったり、人が買ったお土産につられて買いにいったり、時間はあっという間に過ぎていった。それにしても空港内は広い。手荷物をチェックしたところから富山便の搭乗口まで、高岡駅から金屋町まで歩いたのと同じくらい歩いたような気がした。タクシーはないの。と言いたかった。
 疲れがたまって体が重くなったおばさんたちと、ふくれあがった荷物を乗せて、飛行機が飛び立った。雲の上には一日の務めを終えようとしている太陽があった。私の好きな日暮れの太陽の光に包まれながら、帰路についた。富山空港に降り立つと、日本海の匂いがしたわけでもないのに富山湾の魚が恋しくて、空港近くのすし屋さんで夕食をとった。お腹も心も幸せ満杯となって、高岡金屋町へ帰ってきた。「花より団子の旅」の御一行様、お疲れ様でした。・・・・・・完