55号 2004.7月発行

―――――――いにしえの旅への誘い―――――――
・・・・高岡銅器の風鈴が高岡駅で涼しい音色を奏でています
風鈴の音に送られて列車の旅はいかがですか。
氷見線に乗って海辺の町へ。
雨晴には義経一行が雨やどりをした岩があるとか・・・
高岡伏木地区は古い時代から人の営みがあった場所です。
いにしえの旅を紹介しましょう

←桜谷古墳(写真左)
雨晴駅近くにある
4〜5世紀初頭の古墳
岩崎遺跡(写真なし)
旧石器時代の剥片や石核などが採集されている
←越中国守館跡(写真左)伏木駅そば
大伴家持が住んでいた国守館があった。今は伏木地域特別気象観測所。
気多神社→(写真右:重要文化財)最寄り駅は伏木駅
8世紀半ばに能登の一宮気多社から勧請したとも、僧行基が創建したともいわれている。社殿は室町時代の風格を誇っている。
越中国分寺跡↑(写真上)最寄り駅は伏木駅
8世紀半ば聖武天皇の詔により建立。薬師堂のある一帯から瓦や土器など発掘された。
如意の渡像と渡し船→(写真右)伏木駅そば
源義経が奥州へ落ちのびる際にこの地を経たと伝えている。歌舞伎十八番「勧進帳」の舞台
←勝興寺(写真左)伏木駅前
戦国時代、越中一向一揆の拠点
→二上山万葉ラインドライブコース入口(写真右)
大伴家持の歌にも詠まれている山。頂上付近には戦国武将の城、守山城跡がある。
←棚田家(写真左)
明治〜昭和初期まで栄えた廻船問屋。国の登録有形文化財
←伏木北前船資料館:旧秋元家(写真右)
望楼が残っている廻船問屋
伏木港↓(写真下)
古くから日本海側の重要な港として栄え、現在では環日本海交流の拠点を目指している
高岡市万葉歴史観→(写真右)
平成2年オープン。万葉集には大伴家持が越中在任中に詠んだ歌が多く収録されている。
←国分浜海水浴場
なでしこの部屋
古墳の丘で

 雨晴駅で降りて、海水浴客でにぎわっている浜を背に少し歩きます。小高い丘に登ると、土を盛り上げた古墳があります。
1600年間もここに眠りつづけている人が今もし目覚めたとしたら、すぐ横を走っていく四角い金属の物体(自動車)に驚くことでしょう。しかし、振り返って眼下の海を見渡したとき、なつかしさがこみ上げてくることでしょう。
 5年間住んだ家持が、自然の美しさを多くの歌に残し、奥州へ落ちのびていく義経と弁慶が伝説を残しています。武士たちの野望が駆け巡った時代、廻船問屋が栄えた時代、様々な時を経て、今は静かな住宅地帯となっています。