53号 2004.5月発行


――――――――――さまのこフェスタin金屋町 ’04―――――――――

「さまのこ」とは千本格子のことで、金屋の町並みのシンボルです。
400年の歴史と伝統に息づいたこの町の素晴らしさを知ってもらおうと
「さまのこフェスタin金屋町」というイベントを行なっています。


・・・・金森藤平家での高岡銅器秀作展より
落ち着いたつくりの部屋に、技術の粋をつくした作品が並べられていて重厚な空気がただよい、俗世間から離れたひとときを堪能した。



4回目となる今年は、くらしに潤いと活気を与えてくれる銅器の魅力をアピールすることがテーマでした。

高岡西高校の生徒による「おりん」コンサートは、新しい魅力を一つ引き出してくれました。(下の写真)
不思議な余韻がさまのこ通りを包んでいました。




「おりん」コンサート
楽器の「おりん」(たたら51号参考)を高岡西高校の生徒たちが一人一つを担当して曲を奏でた。
全国の鉄瓶展
(竹中勝治さん所有)

高岡短期大学生の作品
高岡工芸高校生徒の作品
伝統産業研修生の作品
鋳物つくり体験
写真は砂でキーホルダーの型を作っているところ。
お寺のお斎膳(神妙寺)
お茶席(宗泉寺)
コーヒー席(最勝寺)
彫金の実演
青木喜作さんが彫刻の作業の様子を見せてくださった。
趣味の小物の店
山菜、お弁当の店
金屋公民館
ぎゃらりー「ゆづら」
弥栄節を一緒に踊りましょう。
たたら踏みの辛い労働から生まれた民謡「弥栄節(やがえふ)」を、保存会のメンバーが披露、手解き。
「たかお缶」のライブ
(高岡を愛する青年達のバンドです)

ほか、盛り沢山の催し物


なでしこの部屋
「さまのこ」

この辺りで言う「さまのこ」とは狭間格子からきているようです。字のごとく間隔の狭い格子、つまりは千本格子のことなのかなと思います。もともと格子は防犯のためのもので、武家屋敷などでは分厚くて頑丈なつくりとなっています。しかし細工の技術が発達してきて繊細な千本格子が作られるようになると、町屋にも広がっていったようです。町の商家はそれまでは昼間は正面を全面開放して商売をして、夜は蔀戸をおろして戸締りしていたそうです。千本格子は、風通しがよく光もとりこめて、さらに防犯にもなるということであちこちで取り入れられたのでしょう。美しい千本格子の町並みは日本の町屋の代表的な風景です。
私が生まれ育った家も20数年前までは「さまのこ」をはめた家でした。そして、通りに面したさまのこのある部屋を「ミセ」と呼んでいました。向かいのちあきちゃんの家にも「さまのこ」があって、その部屋はやはり「ミセ」と呼ばれていました。売り物を並べているわけでもないのに変だなと思っていたものです。