46号 万葉のふるさと高岡
発行2003.10月

高岡万葉まつり「第14回万葉集全20巻朗唱の会」10月3日(金)〜5日(日)
高岡古城公園お堀の特設水上舞台で、連続三昼夜にわたり万葉集全20巻4516首の歌のすべてを2200人を超える人たちで、リレー方式で朗唱します。朗唱方法は百人一首調、詩吟調、歌曲調、朗読調など自由です。一人一人がそれぞれの思いを込めて歌い上げます。貸してもらえる万葉の衣装に身を包み、気分は万葉びとです。誰でも参加することができます。しばし万葉の世界へ旅してみませんか?


左の写真は10月4日に写したものです。丸い写真は十年ほど前子供と参加したときのものです。左の親子が、私と長男と次女です。

問い合わせ:
高岡市役所観光物産課内、高岡万葉まつり実行委員会
TEL:0766−20−1301
高岡市万葉歴史館
高岡市伏木:0766−44−5511

高岡市伏木の地には、奈良時代に越中国の国府が置れていました。この国府に、わが国最古の歌集「万葉集」の代表的歌人である大伴家持が746年から5年間国守として在任していました。万葉集4516首のうち、家持の歌479首、そのうち越中の地で詠まれたのは220余首です。29歳でこの地へやってきた家持にとって詩情をかきたてる豊かな自然と躍動するエネルギーを持った人々との中で暮らした越中時代はその生涯において最も精彩があったとされる時期です。「万葉集」は、その頃の越中の自然や風土、地方官庁や、官人達の様子もうかがい知ることのできる優れた資料にもなっています。


高岡万葉歴史館では「万葉集」や越中と「大伴家持」とのつながりなどを楽しみながら学べるようになっています。

参考:高岡市観光物産課発行の冊子より

家持の歌にあわせて写真を撮ってきました。千数百年経た今でも、詩情をそそられる景色です。
(かたかごの花は今が時期ではありませんので、高岡市観光パンフレットの画像です)

馬並めて いざ打ち行かな 渋谿の
清き磯廻に 寄する波見に


うまなめて いざうちゆかな しぶたにの(雨晴海岸あたり) 
きよきいそみに よするなみみに
玉くしげ 二上山に 鳴く鳥の
声の恋しき 時は来にけり


たまくしげ ふたがみやまに なくとりの
こえのこいしき ときはきにけり
朝床に 聞けば遥けし 射水川
朝漕ぎしつつ 歌ふ船人


あさどこに きけばはるけし いみずがわ(小矢部川のこと)
あさこぎしつつ うたうふなびと
もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ
寺井の上の 堅香子の花


もののふの やそおとめらが(大勢の乙女達) くみまがう
てらい(寺の井戸)のうえの かたかごのはな
参考:高岡市観光物産課発行の冊子より


万葉に遊ぶ
高岡万葉歴史館に何度も行ったことがありますが、4月にリニューアルしてからは初めて行って来ました。入館料を払ってパンフレットを見ていると、「説明しましょうか?」とボランティアガイドのグループ「あいの風」の方が声をかけてくださいました。昔の人々が喜怒哀楽の感情を、草や山や風などの自然と一緒に詩に詠みこんだことを例をあげて話していただき、当時の暮らしぶりや人々の繊細な気持ちまでもが鮮明に伝わってきました。おかげで有意義に廻ることができ感謝しています。
企画展も興味をそそる内容で、楽しいものでした。お天気も幸いして、万葉の四季の庭を気持ちよく廻りました。普通の博物館と違うのは、ここの雰囲気に浸っていたいと思うことです。ですから季節が違えばまた行きたくなるところなのです。今度は「春の庭」にかたかごの花が咲く頃、友達と訪れたいと思います。そうすると家持さんが
「もののふの 昔の乙女らが 語り合う 万葉歴史館の かたかごの花」
と歌ってくれるかもしれません。