27号 | 金屋に関する古文書 発行 2002.3月 |
2月14日、晒谷和子氏による講演会(於:金屋公民館)の中で古文書の解説が興味深かったので、ご紹介します。金屋本町の喜多万右衛門(16代)氏が発行された「鋳物の年輪」をもとにお話がすすみました。我が家にもこの本がありましたが、古文書の部分はとばして読んでいたので、今回いくつか説明してもらえてよく解りました。鋳物師の歴史を知ることによって、鋳物師の心意気が伝わってきました。 ※喜多家は西部金屋からきた七人衆の一人を先祖としています。今も高岡の鋳物業界に貢献されています。 |
御綸旨の要約 蔵人所から出された牒(上位の官庁から下位へ出される公文書) 燈爐御作手、鋳物師等の所、河内国・丹南郡・狭山郷の内 日置荘・鋳物師散在する等の所 ◎公事の免除。朝廷や幕府に対しての税を免除する。 ◎市手、山手免除。市場等に於ての税の免除、鋳物に必要な土や薪をとる権利の保証。 ◎関料、津料の免除。関所の通行税や舟港の利用税の免除。 ◎専売権の確保。自国他国を問わず行商販売を認める。 仁安二年(1167)十一月 |
これがいつの時代においても鋳物師の権利を守ってくれた
その他の古文書
鋳物師職座法之掟書(1587) |
鋳物師が守るべき掟。この座法が基本となり、その後問題の起こる度に増補された。 |
前田利長書状(1609年頃)――「たたら1号」参照 |
加賀二代藩主前田利長が西部金屋の鋳物師に、高岡に居住するよう命じた文書。 |
利長礼状(鋳物師が高岡で仕事を始めた頃) |
金屋の鋳物師から柿やら、豆やらをもらったことに対する礼状がいくつもある。 |
前田光高鋳物師定書(1639〜45頃) |
加賀四代藩主前田光高から「分国中鋳物師中」に諸役免除の制札が下された。 |
申渡下知状之事(1705) |
北国筋の鋳物師頭を命じている文書。 |
なでしこの部屋
雪づりを外す話 今年は春が早くやって来ました。明るくなった陽射しの中で、庭の雪づりされた木々が窮屈そうに見えました。忙しい夫は、ひょっこり帰ってきた大学生の息子に雪づりを外してほしいと頼みました。慣れているので直ぐに作業にとりかかってくれました。「服が汚れるから、作業服に着替えられ」と、竹を抱えている息子にひいおばあちゃんが声をかけます。「Gパンはもともと作業服やからこれでいい」と、着替えるのがめんどうな息子が答えます。「終わってから着替えさせるから」と私が言うと、納得したひいおばあちゃんはうれしそうに息子を見ていました。 息子が小学校高学年の春休みのことでした。夫と息子が二人で雪づりを外していると、近所の友達が数人で野球をしようと誘いにきました。ほっぽり出して行ってしまうかと思っていたら、「これ終わらないと行けない」と返事をしました。そしたら友達が、「じゃ僕達も手伝うよ。そのほうが早く終わるから」と言って、みんなで手伝ってくれました。作業終了後に疲れ直しのジュースを飲みほすと、隣りの公園へ走って行きました。聞こえてくる子供達の声がとてもさわやかだったのを思い出しました。彼らはことし二十歳になります。 |