107号 2008.11月発行

――――――金屋町楽市――――――
10月25日、26日
金屋町を舞台してゾーンミュージアムを開催
全国の作家さんの作品が展示されました


金屋町の石畳通り、さまのこ(千本格子)の家の中など、生活空間をつかって工芸作品が展示されました。ストリートマーケット、イベント、を組み合わせた、工芸X生活X産業が同居するゾーンミュージアムです。地域、民間、アーチスト、職人が一本化するとで、伝統産業活性化による文化拠点整備を目指しています。
金屋町が舞台として選ばれたのは、江戸時代からの歴史があること、古い町並みが残っていること、伝統産業の銅器工芸の技を今に伝えているからでしょう。
日常暮らしている伝統ある町屋のさまのこ(千本格子)や石畳の通りと、伝統の技を生かした展示作品が調和し、観る人の興味をそそりました。また、さまのこの家の中にも展示されていて、床の間や座卓の上に工芸作品が並び、生活空間に溶け込んでいて魅了されました。


主催:
高岡楽座(富山大学芸術文化学部、金屋町自治会、高岡市、高岡市デザイン・工芸センター、高岡伝統産業青年会、高岡商工会議所、富山ガラス工房、金沢卯辰山工芸工房、隈研吾建築都市設計事務所)

なでしこの部屋=======<ものづくりの町で>
 10月25日と26日、金屋の町がミュージアムとなって美術愛好家の方々で賑わいました。金屋町楽市というイベントが行なわれたのです。アルミで作られたオリジナルの棚が、風情ある千本格子の家々の軒下に置かれ、個性あふれる作品が並べられました。
 千本格子の家へ入ると、天井の高い「玄関の間」にそのお宅の屏風をたて、工芸品が並べられています。漆塗りの茶棚など、蔵から出してこられた調度品に作家さんの作品が並ぶと、作品に命が吹き込まれたように活き活きとしているから不思議です。座卓にお皿が並べられた部屋では、宴の楽しい雰囲気までも伝わってくるようでした。
 11月8日の読売新聞に、フランソワーズ・モレシャンさん夫妻の「北陸記−伝統工芸の存続−」という記事がありました。モレシャンさんの母国フランスのパリと比較して、「生き残りのヒントは伝統工芸を必要とする生活スタイルの提案と、グループによる企業化である」と言っていました。ご主人の永瀧達治さんは「伝統を守るのではなく生かす暮らしをする」ことだと言い、「しかもそれが荒廃した日本人の精神性をも取り戻せる方法ではないだろうか。北陸の生活はそんな発送の機会に恵まれている。」と結んでいます。モレシャンさん夫妻の言葉を噛み締め、さらなる努力をしていこうと思いました。