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金屋町金属工芸工房「かんか」
金屋町石畳通りに、立ち寄りスポットが増えました。ギャラリーを併設している金属工芸工房「かんか」です。3月で閉館した高岡映画資料館(映画「8月のクリスマス」のロケ地)の場所で、9月にオープンしました。 「かんか」は坩堝(るつぼ)の音読みで、金属を加工する時に発するカンカンという音を表しているそうです。明るく弾んでいながら、きりりと引き締まった感じがして私は好きです。坩堝(るつぼ)とは、中に金属を入れて外から熱を加えて中の金属を溶かす「つぼ」です。坩堝の中で金属が溶け合うように、様々な人たちが集い、新しいものを生み出す、そんな空間を目指しているそうです。作品造りを指導していらっしゃる槻間さんを中心に、ものづくりを目指す若者15人で運営しています。
お話を伺った青木さんは、金工家を目指し高岡に住み着いた女性で、私の娘と同年代の若い方です。ものづくりの仲間が集うたび、製作する場、自分の作品を発表する場が欲しいという思いが募っていたそうです。そんな時、閉館した高岡映画資料館を借りることができることになりうれしかったそうです。金屋町は鋳物発祥の地であり、観光客も訪れるので、工房&ギャラリーを開くのにこれほどふさわしい所はないと思ったそうです。
訪れた人には説明をしているそうなので、私も説明してもらいながらゆっくりと鑑賞させてもらいました。並んでいる作品はどれも個性あふれるもので、見ていて楽しい上に、青木さんの話を聞きながら見ていると、ものを作り出す面白さや、取り組んでいるときの緊張感が伝わってきてさらに作品に引き付けられました。伝統的な技法や新しい技の話を聞くと、作品に感情が入り込み、愛着が湧きます。訪れた人々も、「説明してもらうと作品が良く分かって面白かった」という感想を残していかれるそうです。作家さんが開いているギャラリーならではの醍醐味でしょう。
作業場では作業の様子を見ることができます。ギャラリーでは今後、企画展などを予定しているそうで、楽しみです。販売もしていますので、気になる作品があったら自分のものにしてしまいましょう。遠くは九州地方、そのほか他県の地場産業の工芸品の作家さんたちも「かんか」のことを聞きつけて来られるそうです。全国から、作りたい人が集う、作品に触れたい人が集う、そんな場所が金屋にあるのは誇りです。様々な技が溶け合い、魅力あるものが生まれる、「坩堝(かんか」の成長を、私たち金屋の住民も協力していきたいと思います。 「かんか」のメンバーの平戸さんは「かんか」隣の空き家を借りて金屋町の住人になりました。関崎さんは弥栄節保存会に加入して祭りや行事の際、三味線を弾いています。平戸さんも三味線の練習中です。私の娘と同じ年くらいの方々と一緒に活動するのは楽しいことです。若い声が金屋町に響き、昔の活気が戻ってくる日も近いような気がしています。 |
2010.11月 |
参考:ミニコミ紙「たたら」のページで、関連記事が載っている号を紹介
たたら71号 | 「かんか」の代表の槻間先生の指導を受けて、私がデザイン工芸センターで作った鋳物作品です。 |
たたら51号 | 鋳物の魅力 |
たたら57号 | 伝統工芸師さんを訪ねて |