今年は戌年です

73号 2006.1月発行


―――――――雪は宝物?―――――――


雪はきれいなものではありません


お芝居の雪はひらひらと舞うように落ちてきてきれいです。気温の低い地方ではそのように軽い雪なのかもしれませんが、ここ北陸の雪は湿り気があって重いのです。一円玉ほどのものがボタッ、ボタッと落ちてきたは積もっていきます。気温が低くなると、小さな粒になって絶え間なしに落ちてきます。雲の上で、雪の粒の入った箱をひっくり返したかのようです。1mさきも見えない状態になります。「きれいね」と言えるものではありません。

だけど
晴れた日の雪景色は、青い空にきらきら輝いて荘厳です。


雪が降ると交通網が乱れ、生活に支障をきたします


列車の運行が乱れ、最悪な場合運休となってしまいます。飛行機は飛びません。高速道路は閉鎖されます。国道は大渋滞のところへもって、スリップ事故などがあり、寸断されます。物資が届かず、困ります。

だけど
越冬野菜や漬物が強い味方です。
おばあちゃんは、「冬が来る前に準備をしておきなさい」と言います。我が家では大根、白菜、ジャガイモ、たまねぎ、泥付きねぎなど、買い置きしています。おばあちゃんの時代と違って、今では近くにスーパーがありいつでも好きなものが買えるので、大量には買いませんが、大雪の時にはやはり重宝します。食卓には大根や白菜の漬物、かぶら寿司が並びます。
大寒波がくると、一夜で30〜40cm積もります


朝目覚めると、まず雪余かしから始まります。雪をよけないと玄関から出ることも入ることもできません。もちろん車も走れません。市では、夜中に除雪車を走らせて、幹線道路の除雪をします。また、街のほとんどの路地に融雪設備が整っていて地下水で雪を融かします。昔と比べるとずいぶん楽になりました。とはいえ、水溜りできて、歩行者には迷惑な状態のところもあります。ほんとに雪には困ります。

だけど
この地に住む私達は雪の恩恵をうけています。山々に積もった雪が融けて、地面にしみ込んで濾過され、きれいな水となって湧き出しています。多量の雪融け水が河川に流れ出し、平野を潤し、おいしい作物を育てます。ダムに貯えられた水の力で電気を起こし、生活に潤いをもたらしてくれます。


目の前に山と積もった雪が
そのうち姿を変えて私達に会いに来てくれます。
こんなにたくさんある雪だもの
色々なところで会えることを楽しみに
しんぼう しんぼう





祝・白寿

新しい年が明けて、我が家のおばあちゃんが数え年の99歳になりました。毎年お正月とお盆には親戚が集まってにぎやかに過ごしていますが、今年はおばあちゃんの白寿を祝う宴にしようということになりました。去年結婚した娘の旦那様は新しいメンバーです。
「お正月とお盆は家を留守にしたらだめやよ」とおばあちゃんは言います。お盆にはご先祖様が帰ってこられるし、お正月には年神様が各家々をまわって福を授けてくださるそうです。留守にしていたら福をもらいそこねるようです。
「おばあちゃんおめでとう」「さあ、みんなでハクジュー(拍手)」と言って、笑わせようと楽しみにしていました。それなのに、おばあちゃんは大晦日の数日前に腹痛をおこし、大事をとって入院しました。正月2日、みんなが集うのをやめようとしたけれど、「お正月にみんながそろうのがめでたいことやから、私がいなくても毎年のように集まってにぎやかに過ごされ」とおばあちゃんが言うので予定通り集まりました。そして、楽しい宴の様子をデジカメで撮って、みんなでお見舞いに行きました。
正月の中ごろに元気に退院しました。ハクジュー(拍手)