8号 | 発行 2000.8月 |
高岡七夕まつり(8月1日〜7日) 中心市街地 大小数千本の七夕が通りに立ち並ぶ壮観さは日本海側随一。最終日には高岡の民謡の町流しが行われ、千保川までのパレードがあります。そのあと数十本の七夕を,、願いがかなうようにと川へ流します。 |
高岡の七夕は、8月7日に行われます。今年も、千本格子の家並みに、何本か飾られた七夕がたっていました。短冊には、子供のすこやかな成長と幸せを願う言葉が書いてあります。川に流すと願いがかなうと言われていました。 その昔、七夕は長男のものでした。生まれたその年は、特に豪華な飾りをつけ、屋根を越えるほど大きなものをたてます。幹の部分には、武将などの勇ましい絵を木枠に張ってくくりつけます。8月7日の川流しの日には、親類や、近所の人が集まり、そうめんと、かばやきで腹ごしらえをし、少しお酒もはいってにぎやかに、七夕をかついで流しに行きます。周りで、一斗缶をガンガンとたたきながら、笛をピーピーならしながら、三歩進んで二歩さがる、といったぐあいで、川へ行くまでがまた楽しいのでした。暗い川の中へ、大きな七夕がバサッと言う音をたてて倒れこんで、ゆっくりと流れていきました。このまま天の川まで続いて昇っていくものだと信じていた私は、いつまでも空を眺めていたものです。 |
そのうちあまり派手になり、さわがしくなって、橋の欄干が落ちるという事故までおきてしまいました。ごみ問題もあって、一時中止になってしまいました。けれど10数年前から、許可をうけた七夕のみを、順番を決めてながし、川下でレッカー車で引き上げることにして、再び七夕流しが行われるようになりました。 |
欄干越しに投げ入れられる七夕と、 川面を流れていく七夕 |
なでしこの部屋 私が小学生のころ、玄関そうじが夏休みの日課でした。そのころは、私の実家も千本格子のある家でした。靴を脱ぐところの土間から外までほうきではいて、戸や腰板を拭いて、かたく絞った雑巾で千本格子を拭きます。そして、親指に雑巾をまきつけて、格子と格子の間をひとつひとつ拭くのですが、これがとても面倒なのでした。いやだなと思っていると、通りがかりの近所のおばちゃんが、「美和子ちゃん、毎日毎日かたいねえ〜」と、声をかけてくれます。うれしくなってこれで明日も頑張れるというわけです。最後に、かるく絞った雑巾で千本格子の下のところを拭きます。終わると、バケツの水を道にまきます。一杯の水で、できるだけ広くまこうとして、毎日工夫したものです。たまに、失敗してびしょぬれになったりして…。 今思うと、道がぬれていない家は、まだ掃除がすんでいないという証拠になって、ちょっとお嫁さん泣かせです。むかしの女の人は大変でした。 |