5号 発行 2000.5月

きらめいて金屋町
金屋町を知る研修会―第5回より

最終回となった今回は、国立高岡短期大学助教授の武山良三先生のお話でした。
先生は自らがカメラに収めたヨーロッパの町並みをスライドにして見せてくださいました。
また、日本国内の町並み保存に取り組んでいる地域のスライドも見せてくださいました。

Q. どちらが景観で、どちらが風景でしょうか?

A. 景観(工学的に造られた町) A. 風景(文化的に造られた町)

☆町造りの参考にしてくださいとのことでした。(写真提供 武山良三先生)

町作りのキーワードは「絆」

―――絆―――
―――絆―――
―――絆――― 土地
過去 ―――絆――― 現在

これらが繋がっている町はすばらしい。

先生は「金屋町は町が子供を育てている」と、おっしゃいましたが、
それは、絆がしっかりしているからかなと思いました。

5回の「金屋町を知る研修会」を終えて

1999・10月、11月、12月、2000・2月、3月の研修会は、
どの回も大勢の参加がありました。
金屋町には、この町が好きだと言う人が多いということを実感しました。
住んでいる人みんなが、その町を好きならきっと良い町になるはず……

なでしこの部屋

宗泉寺の大銀杏

 二階の窓を開けると、空を真っ赤に染めて太陽が沈んでいくのが見えます。
西の方角に宗泉寺の大きな銀杏の木が影絵のようになって見えます。
この銀杏は、嫁ぐ前実家の私の部屋の前に見えていたものです。
春に柔らかい新芽をつけて、夏に雄雄しく葉を茂らせ、
秋にはやさしく色づいて散っていき、冬は辛抱強く次の春を待つ……。
ということを何百年と続けてきた銀杏の木です。

金屋の人々の生活を長い年月見続けててきました。
私が生まれたときのこと、木の下で遊んでいた幼い私のこと、
そんな私が嫁いだことも、子供が三人生まれたことも、実家の祖父が亡くなったことも
全部知っている木です。

やがて、銀杏も家並みも夕餉のにおいもみんな包み込んで太陽が沈みました。
後に残った炎のような赤色の力強さが明日へのエネルギーを象徴しているようです。