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里の四季

おしょうらい

お嫁さんの里帰り

といえば昔は16日(藪入の日)だったそうですが・・・
高岡へ嫁いだ私は
周りがまだお盆気分になる前の13日に幼い娘達を連れ里帰りをしていました
娘達は大きくなり一緒に付いて来なくなってしまったけど
今年は夫と二人13日に里へ出掛けました



田植えから3ヶ月
稲穂が出揃いました


我が世の夏を謳歌したひまわり達
連日の猛暑にちょっと疲れが出てきたようです


あぜ道にひっそり咲く花
雑草の様にも見えますが
 

里のお盆のお墓参りには欠かせない
お花”おしょうらい花”なんです


”おしょうらい”
ご先祖さんを迎える松明の様な物です


おが屑などを挟んで縛った物
近くのスーパーで買ってきたそうです

旧下村では
おしょうらい(迎え火)をする風習があります
子供達が
火をつけた”おしょうらい”を大きく円を描くように回しながら
「おしょうらい、おしょうらい」と大きな声をあげ
ご先祖さんに帰る道は此方ですよと迎えるのです。



薄暗くなってきた頃
今日の主役
甥っ子、姪っ子がやって来ました


2歳の姪っ子は、ちょっと危なっかしいのだけど本人は真剣、やる気満々
小学2年生の甥っ子は、マッチで火を点けることも出来るようになりました



「おしょうらい、おしょうらい」
6〜7年前までは
娘2人と従姉妹2人、女の子4人で
おしょうらいをしてたっけ

「おしょうらい、おしょうらい」
40年以上も前・・・
私が弟達と
おしょうらいをしていたのは・・

お盆が近づくと祖母が浴衣を縫ってくれました。
花の模様だったり、金魚の模様だったり、袖丈の長い振袖だったこともありました。
毎年毎年、今年はどんな浴衣を作ってもらえるか楽しみで
裁縫板の前に行っては、「ばあちゃん、いつ出来る、いつ着られる」と
何度も何度も催促していたものです。

綺麗な浴衣を着せてもらい、ぽっくり(草履型で足が高く飾りに鈴が付いてる履物)や
下駄を履き、「おしょうらい、おしょうらい」家の周りの田んぼ道を歩き回ったものです。
村の方からも
おしょうらいの灯が見え、
みんなもやってるんだなぁ、負けられないぁと大きな声を張り上げたり・・

あの頃の”おしょうらい”は手作りの物でした。
3月頃、穂の落ちてしまった"葦(よし)”を刈ってきておいたもので
杉の落ち葉”すんば”や”豆がら””かんな屑”などを包み、
藁(わら)で縛ったものだったそうです。

”おしょうらい”ちゃ何で作っとたがやったけ?と尋ねてみると

父は「鍛治川の土手に生い茂っていた葦で作った、近所の人がデッカイ(大きな)が作っとた」
   と思い出し笑いをすれば
母は「打出(実家)の方では麻の茎の皮を剥いた物で、剥いだ皮で縛って作ったたよ、
   ぽっくり履いて海岸まで行っておしょうらいしとった、今でもしとるがかね・・・
   おしょうらいの頃に行ったこと無いねぇ」と懐かしそう・・


結婚した頃、高岡では”おしょうらい”なんて聞いたことも無いと言われてしまいました。
富山の方ではするそうなので、呉東(ごとう)地区だけの風習なのでしょうか

おしょうらいをした後、座敷に行ってお参りをしたら夕食です。
夕ご飯が終わった後、花火をするのが楽しみ
これは娘達が小さかった頃からの習慣?
弟が娘達を楽しませてくれていました