里の四季
おしょうらい
お嫁さんの里帰り
といえば昔は16日(藪入の日)だったそうですが・・・
高岡へ嫁いだ私は
周りがまだお盆気分になる前の13日に幼い娘達を連れ里帰りをしていました
娘達は大きくなり一緒に付いて来なくなってしまったけど
今年は夫と二人13日に里へ出掛けました
田植えから3ヶ月 稲穂が出揃いました |
我が世の夏を謳歌したひまわり達 連日の猛暑にちょっと疲れが出てきたようです |
あぜ道にひっそり咲く花 雑草の様にも見えますが |
里のお盆のお墓参りには欠かせない お花”おしょうらい花”なんです |
”おしょうらい” ご先祖さんを迎える松明の様な物です |
おが屑などを挟んで縛った物 近くのスーパーで買ってきたそうです |
お盆が近づくと祖母が浴衣を縫ってくれました。 花の模様だったり、金魚の模様だったり、袖丈の長い振袖だったこともありました。 毎年毎年、今年はどんな浴衣を作ってもらえるか楽しみで 裁縫板の前に行っては、「ばあちゃん、いつ出来る、いつ着られる」と 何度も何度も催促していたものです。 綺麗な浴衣を着せてもらい、ぽっくり(草履型で足が高く飾りに鈴が付いてる履物)や 下駄を履き、「おしょうらい、おしょうらい」家の周りの田んぼ道を歩き回ったものです。 村の方からもおしょうらいの灯が見え、 みんなもやってるんだなぁ、負けられないぁと大きな声を張り上げたり・・ あの頃の”おしょうらい”は手作りの物でした。 3月頃、穂の落ちてしまった"葦(よし)”を刈ってきておいたもので 杉の落ち葉”すんば”や”豆がら””かんな屑”などを包み、 藁(わら)で縛ったものだったそうです。 ”おしょうらい”ちゃ何で作っとたがやったけ?と尋ねてみると 父は「鍛治川の土手に生い茂っていた葦で作った、近所の人がデッカイ(大きな)が作っとた」 と思い出し笑いをすれば 母は「打出(実家)の方では麻の茎の皮を剥いた物で、剥いだ皮で縛って作ったたよ、 ぽっくり履いて海岸まで行っておしょうらいしとった、今でもしとるがかね・・・ おしょうらいの頃に行ったこと無いねぇ」と懐かしそう・・ 結婚した頃、高岡では”おしょうらい”なんて聞いたことも無いと言われてしまいました。 富山の方ではするそうなので、呉東(ごとう)地区だけの風習なのでしょうか |