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里の四季


2月15日

「ちょっとだけやけど”まいだま”取りに来られ」と母からの電話

「今年も作ったがけ、わかったよ、ありがとう」と私

早速もらいに行ってきました。




今日は何の日フッフン

・・・涅槃会・・・
あっ・・弟の誕生日だぁ・・

両親とお昼のテレビを見ていて”おもいっきり”思い出しました。

今となっては、3つ違いの弟の年齢は(弟がもうこんな歳!!)と
自分の歳以上に驚かされます。

南向きの雪解けした所にはふきのとうが顔を出していました。
”ふきのとう味噌”を楽しみにしている弟は、もう今年一番のを採っていったそうです。

雪解けが進んで
ぞろぞろと顔を出し始めた・・大根たち
久しぶりのお日様が眩しくて
”あみ笠”をかかぶってるのかい
高気圧におおわれ青空が広がり
3月中旬並みの気温になり穏やかな日に
こんな日の朝は、放射冷却現象で
キィーンと冷え込むのです
朝は凍ってカチカチだったろう雪は
お昼過ぎにはザクザクに
田んぼに残った雪は
ザラ飴のようにキラキラ輝いていました。

そらのぼり
小学生の頃は今よりうんと沢山雪が降ったものです。
12月になると雪が断続的に降りだし、3月いっぱいまで降り続いていました。
家の周りの田んぼは雪に覆われ、黒い土を見ることはめったにありませんでした。
今と違って昔の道は、車なんて通らない細いたんぼ道だったので、雪に覆われると
どこまでが道で、どこからが田んぼなのか分からなくなっちゃいます。

そんな訳で、小学校低学年の頃学校へ登校する時は、
父があら道を自ら歩くことによって雪をよかし、歩く道を造ってくれたりしていました。

毎日毎日、行きも帰りも、人一人がやっと歩ける一本道を
まるで跡撫ぜするかのように歩いていたものです。
(新雪が降ったり、吹雪いたりして消えちゃうとそれはそれで大変なんだけど)

そんなことが続いたある朝
「今日はしみっとるよ、
”そらのぼり”でっきよ(出来る)」と、
起こされる日があるのです。
そう、今日のような日だったのです。

うれしくて、嬉しくて、朝ごはんもそこそこに外へ飛び出したものでした。

大地を被った雪がカチカチに凍りついているのです。
細い道を跡撫ぜしなくっても、雪の積もってるところなら何処でも
雪の上を歩いて行けるのです。

真っ白な雪、真っ青な空、きらきらまぶしい太陽
雪の上を走り回り開放感にひたっていたんだと思います。


小学校5年生の時だったと思います
朝、教室へ入ってこられた担任の先生が
同級生達の要望を聞いてくださったのか、先生の提案だったのかは?だけど
「今日の1時間目は授業を止めて
”そらのぼり”するぞ」と、言われ
「うわぁ〜やったぁ!」「やったぁ、やったぁ〜!!」と
みんないっせいに校舎を飛び出したことがありました。

「富山市まで行ったぞ」「新湊市までも行けたぞ」と
村の周りを走り回りました。
帰る頃には、雪がだんだん緩んできて
ずっぼ、ズッボと長靴を履いた足が雪の中に沈みだし、
慌てて道に戻ったのでした。

この時期になると想いだす、小学校の頃の楽しかったことの1つです。